スカウト用語集





スカウト用語事典
この事典はボーイスカウト日本連盟のホームページより複写(抜粋)しています。
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https://www.scout.or.jp/member/%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%88%E7%94%A8%E8%AA%9E%E9%9B%86/

アイ・スプライス〈Eye Splice〉
ロープの端に、ロープのよりをもどしながら輪(Eye)を作る方法。

アウトドアゲーム〈OutdoorGame〉
戸外で行うゲームのこと。
アウトドアゲームを実施するに当たって、ゲームのルールをよく説明しておくこと、危険なところがないかよく調べておくこと、スカウトの体力を考慮すること、スタート・終了の合図は明確にすること、スカウトが気に入って夢中になったとしても長時間実施せず、まだ熱がさめない間にゲームを終了すること、またゲームの内容にあった楽しい導人のお話をすれば、さらにゲームは楽しいものになる。そして、ゲームの中に進歩につながる要素を取り入れるよう配慮すること。
「スカウティングはゲームである」(B・Pの言葉)忘れてはならない、すばらしい教育理念である。ゲームをゲームとしてだけ扱っていないか。もう一度考え直してみることが必要である。

アタックザック〈Attack sack〉
現在売り出されているザックの主流となっており、縦に長く、ナイロン製のものが多い。
アタックザックは背負ったとき、重心が比較的高い位置にくる。また、ウエストベルトがつけられ、肩の受ける荷重を減少させることができる。これが背負いやすい理由の一つである。

アドベンチャー〈Adventure〉
興味や好奇心をそそる思いがけない経験や冒険のこと。
「アドベンチャーキャンプ」、「アドベンチャーハイク」、「アドベンチャートレイル(Trail=追跡)」などのように用いる。

アドベンチャーキャンプ〈Adventure Camp〉
主として、シニアースカウトを対象に、冒険心を満たし、移動を伴うキャンプのこと。
ベンチャーキャンプ(Venture Camp)ともいう。

イーグルスカウト〈Eagle Scout〉
アメリカボーイスカウトの最高の進級記章。日本の富士スカウトにあたる。

移動キャンプ〈イドウキャンプ〉
一カ所に留まらず、毎日場所を変えながら行うキャンプのこと。「移動野営」。
キャンプ地を次々と移動するため、大きな装備は持たず、軽テント、寝袋、食器、小型のコッフェル、ガスコンロ程度の装備を持って行うキャンプ。一定の場所で行う「固定キャンプ」に対する言葉である。

インストラクター (Instructor)
英語: 教える人、教授者、(米国の大学などの)専任講師。日本では「技能や専門的なことを指示的に教える人」に対してよく使われる。ボーイスカウト用語では、人格を含めた総合的な指導に当たる隊長や副長と区別して技能等の限定的な指導を託された指導者の名称として限定的または一般的に使われている。

イベント (Event)
英語: 出来事、事件、(競技)種目。ボーイスカウト用語では「行事」「催し物」の意味に使われ、キャンプ等の訓練に係わりの深い活動とは区別している(各種大会、協議会、会合、ジャンボリー等)。

イエール (Yell)
叫び声、応援など励ましの掛け声。ボーイスカウト用語としては、祝声や励ましの声援として、公式にきまった言葉がある。例えば、日本では「いやさか」がこれにあたる。外国では、公式のものではなく、さまざまなイエールが使われるのが一般的である。エールと同じ。

イエールマスター(Yell Master)
進行係(司会者)のこと。キャンプファイアーや集会で、中心になってプログラム(歌やゲーム等)の進行や式をする者。

いやさか〈(弥栄)イヤサカ:more and more Glorious〉
上古からの日本語で「ますます栄える」という意味。
大正11年、日本連盟が誕生し、世界各国のスカウトは自国語の祝声(Cheer)を持っているので、日本連盟は古語の「弥栄」を採用した。
大正13年、佐野常羽がイギリスのギルウェル実修所でこれを披露し好評を博し、それ以来、ギルウェルでも祝声として「弥栄」を用いている。日本語の発音とは少し異なるらしいが、日本の「弥栄」が世界のスカウト用語になった。

ウォールノット〈Wall knot〉
ローブのほつれを止めるために、ロープの端のよりをほどき編み直し加工する方法の基本。
ウォールノット単独ではほつれを止めるという役には立たない。
ウォールノットに重ねてクラウンノットを作り、ウォールノットアンドクラウンノットにして、さらにそれぞれのロープの、よりをもう一度反対方向にくぐらせると、マンロープノットとなり、きれいな形の握り手ができる。

ウッドバッジ (Woodbadge)
(ボーイスカウト用語)
直訳すると木製記章となる。創始者べーデン-パウエル卿が1919年にボーイスカウト活動の指導者訓練をイギリスのギルウェルパークという名称の訓練センターで開始したとき、訓練修了者にアフリカの部族から贈られた木製の数珠の首飾りから、数珠2個ずつを革紐で通して贈った。このことから以後、この指導者訓練はウッドバッジ訓練という名称で世界に広まり、今日に至っている。現在は、創始者の当時とは訓練対象や内容が多様になり、大きく変化し、国によつても展開や状況は異なっている。日本では、隊長訓練にこの用語が用いられ、隊長訓練上級コースの修了者にウッドバッジが授与されている。ウッドバッジ訓練修了者には、証明書、特別なネッカチーフ、ネッカチーフ留め(ウォグルという)、それにウッドバッジ(正確には、ウッドバッジ・ビーズ:Woodbadge Beads という)が与えられる。

おきて〈Scout Low〉
1.スカウトは誠実である。
2.スカウトは友情にあつい。  
3.スカウトは礼儀正しい。   
4.スカウトは親切である。
5.スカウトは快活である。
6.スカウトは質素である。
7.スカウトは勇敢である。
8.スカウトは感謝の心をもつ。   
(昭和63年4月に改正された。)
「ちかい」と共にスカウテインクの根本原理であり、3つのDuty(義務感、使命感)すなわち、神(仏)へのDuty、他人へのDuty、自分へのDutyに基づく日常行動の規範を、スカウトの少年達が、よく分かり実行しやすいように示したものである。日常生活のよりどころ、物差しとして、自らを律するものであり、おきての意は、心のおきどころという意味である。「おきて」の実践がよき公民への道しるべとなる。「おきて」には副文(添え書き)がついている。
この副文は解釈の一つの方法ではなく、おきての主文そのものの解説であり、一体となってその意味をさらに深くするものである。ビーバースカウト、カブスカウトの年齢では、まだ「おきて」の表現では難しいので、その年齢と能力に応じた表現と内容にしてある。
これが、「ビーバー隊のきまり」、「カブ隊のさだめ」である。

オリエンテーション (0rientation)
方向付け。初心者に今後の進め方を示すこと、また一般的に会合などで始めて参加する人に、日程や生活運営方針等を説明する時間帯のプログラム名として使われることが多い。

オリエンテーリング (Orienteering)
標識によって道のない原野を走破し、目的地に到着するクロスカントリーレース。

カブコール〈Cub Call〉
カブ隊の隊集会のセレモニーとして「バック、バック、バック」の合図で集合し、隊長の合図で大輪になってから、カブコールの歌(中村知作詞・作曲)を歌いながら行う一連の動作。ウルフカブスハンドブックにある「グランドホウル」を日本流にしたもの。日本独自のスカウト用語である。

カブサイン〈Cub Sign〉
右手で二指をつくり、まっすぐ上に高くあげ、人差指と中指を広げる。
世界中のカブスカウトのサインで、仲間であることを意昧する。
「やくそく」をする時、「カブ隊のさだめ」を唱えるとき、「私はよいスカウトになります」と、集会等で唱えるときに用いる。
二指は、二つのやくそくと、動物の耳の形を表している。

カブスカウト (Cub Scout)
(ボーイスカウト用語)
日本では、小学校2年9月から5年生までの年齢のスカウトのこと。Cubは、狼の仔など動物の仔の意味で、創始者がこの部門のプログラムを草案したときイギリスの小説家キプリングの「ジャングル・ブック」の物語を使って展開したことから始まる。略してカブという。

カブスカウトの握手
ボーイスカウト以上は左手の握手をするが、カブスカウトは右手で握手をする。
普通に握手をして、2本の指でやくそくを思い出させる形をとる。やくそくを守り、さだめを実行する仲間の挨拶である。

カブスカウトの敬礼
右手の人差指と中指を広げ、人差指の先が帽子のひさしに付くようにする。
二本の指は、二つのやくそくを表し、動物の耳の形をした仲間のしるしである。

カブのキャンプ
カブ隊の野外活動として行われる宿泊を伴う行事のことで、カブホリデー(舎営)を発展させて、テント生活で行う宿泊行事である。
民宿のような宿泊施設を利用する場合はカブホリデー(舎営)という。以前はカブのキャンプといえばこのカブホリデー(舎営)のことを意味していたが、現在ではカブのキャンプとして、簡単な「野営」も実施することができる。ただし、カブの野営はボーイ隊が行うようなスカウトキャンプ(訓練キャンプ)ではなく「キャンプごっこ」と「スカウトキャンプ」の中間的なものと考えられる。テントで宿泊を行うが、近くには安全な避難場所があり、テントを立てるのも、炊事を行うのも、訓練としてではなく「ゲーム」の一環である。
日数的には、デイキャンプ(1日)ウイークエンドキャンプ(1〜2日)サマーキャンプ(2〜3日)のような「カブのキャンプ」が考えられる。

カブ弁
カブスカウトの弁当の俗語。カブ隊によっては、カブスカウトの弁当はできるだけ質素にすべしと、隊で内容(例えば、おにぎりと漬物のみ)を決めているところもあろ。ボーイスカウト以上のスカウトの弁当を「スカウト弁当」「スカ弁」(俗語)と呼ぶところもある。

カブラリー〈Cub Rally〉
カブスカウトの大会のこと。全体で行うワイドゲームや各コーナーでのゲーム、クラフトなど、カブスカウトのチャレンジ精神を満喫できるような楽しいプログラムが用意されている。
カブラリーは地区、県連盟単位で主催されることが多い。

技能章
技能章課目の中から、自分の趣味や特質に合わせて自由に選択して修得し、考査を受けて授与される。
技能章は専門的な段階の技能修得を目標にしているので、その内容はボーイスカウト(ボーイ隊)の進級課目や特修章課目に比べれば、幅広い分野と高度な内容になっている。そのためボーイスカウト段階では技能章修得の有無は進級に直接関係しない仕組みになっているボーイスカウトの2級スカウトになれば技能章課目に挑戦することができ、修得した場合はベンチャースカウトになったときの進級に生かされることになる。ベンチャースカウトの進級では技能章の取得が必要である。隼スカウトになるためには、野営章、炊事章、救急章を含め5個以上の技能章の取得が必要であり、富士スカウトになるには、さらに野営管理章、環境衛生章を含め5個以上の技能章の取得が必要である。

基本動作
スカウトが行う姿勢(気をつけ、休め)、敬礼(挙手の敬礼、立礼)、いやさか、カブの祝声、スカウトサイン、カブサイン、ビーバーのサイン、握手、仲良しの輪、集合(縦隊、U字型)、カブコール、解散などの動作のこと。

キムス・ゲーム〈Kim's Game〉
「キム」の物語から生まれたスカウトの感覚訓練を行うゲーム。
24個の品物を1分間見せて、そのうち16個以上を記憶していれば合格。
以前のボーイスカウトの2級スカウトの考査課目であった。

キャンポリー(Camporee)
キャンプ大会のこと。アメリカのスカウト用語で元来は、キャンプ技能を隊毎に競う大会を意味したが、日本では内容に係わりなく、地区あるいは県連盟・地方の規模で開かれるスカウトのキャンプ大会をいう。

教育規定
ボーイスカウト日本連盟のボーイスカウト教育の目的、原理、方法を基本、組織、プログラム、指導者訓練、服装と記章等にわたって規定したもの。これは、教育規定集として1冊にまとめられ、ボーイスカウト日本連盟から発行されている。

キャンプ (Camp)
野営による生活、その場所。キャンプ生活や活動を意味することもあるが、それを強く明示するときは「キャンピング (Camping)」の語が使われる。

キャンプクラフト〈Camp Craft〉
野営工作のこと。「キャンピングクラフト」ともいう。かまど、食器棚、調理台などの工作をすること。類似語に「キャンプギャゼット」がある。

キャンプサイト〈Camp Site〉 Ca-p
キャンプを行っている場所のこと。キャンプ生活をしている区域。

クォーターマスター (Quartermaster)
補給係、将校(宿舎割り当て、食糧、被服、燃料、運輸などを司る将校)。ボーイスカウト用語では、大会や各種研修で食糧、備品、資材を調達する役のスタッフのこと。日本語では「備品係」と訳され、またQMと略記したりする。

クラウンノット〈Crown knot〉
ロープのほつれを止めるために、ロープの端の、よりをほどいて編み直し加工する方法の基本。クラウンノット単独では、ほつれを止めるという役には立たない。
クラウンノットから3本に分けたストランド(撚り子)を、反対方向に順にくぐらせて(これをタックという)バックスプライスという戻り止めをつくる。

グリーンバー(Green Bar)
上級班長、班長、次長あるいはそのグループのこと。アメリカ連盟では、上級班長章には緑色横線(グリーンバー)が3本、班長章には2本、次長章には1本あるが、このことから名付けられ、日本でも同じく使われている。班長会議のことをグリーンバー会議、その訓練をグリーンバー訓練等に使われる。

クルー (Crew)
(船や航空機の)乗組員を集合的に意味する。ボーイスカウト用語としては、外国では各部門毎に隊の名称が異なるようにしてあるので、ローバースカウト部門の隊のこと。これは、各部門で隊の運営の仕方が違うことから、それを明確に示すために行われていることであり、ボーイスカウト日本連盟発行「ローバースカウトハンドブック」でもこの考え方を採用し、ローバースカウト隊のことをクルーと呼んでいる。

ゲーム〈Game〉
スカウトのプログラム活動の一つ。広くは、遊び、娯楽、競技のことをさすが「狩り」「狩猟」の意昧がある。
遊びの中からスカウトが人生に役立つ技能を修得することに意義があり、単に余興や娯楽のために行うものではない。ゲームをするのが目的ではなく、プログラムをゲーム化することが大切である。ベーデンパウエルが「スカウティングはゲームである。しかし、大人にとっては、ゲームを通しての教育である」といったのは至言である。
ゲームはいくらでも応用・変形ができるため、ゲームには特許がないといわれている。
「100のゲームを覚えるよりも、1つのゲームの100の応用に心がけよ」
「ゲームは導人が大切、明快なルールも大切」

敬礼(スカウトの敬礼)〈The Salute〉
スカウトの敬礼は、敬意、礼儀、親密を表す。
スカウト同志の挨拶や国旗掲揚の時などに使う。
姿勢を正しくして、スカウトサインと同じく、右手で三指を作り、人差指と中指の間を右目の右上と帽子のひさしとの交差点付近になるように、たなごころをやや左方に向け、ひじを肩の方向にほぼその高さと等しくして、頭を相手の目に注目する。副帽の時や帽子をかぶっていないときは、額に人差指の先が触れるくらいにする。手の上げ下ろしは、最短距離を通るようにし、外から大回りに回すようなことはしない。

結索法
なわ結び、ロープ結びのこと。
よい結索法とは、すばやく結べること、結び目がしっかりしていることである。
【スカウトが修得すべき主な結索法】
索端止め、止め結び、8の字結び、からみ止め、ウォールノット、クラウンノット、ひと結び、ふた結び、ねじ結び、トートラインヒッチ、てこ結び、引きとけ結び、巻き結び、もやい結び、よろい結び、本結び、ひとえつぎ、てぐす結び、ちぢめ結び、腰かけ結び、かきね結び、ショートスプライス、アイスプライス、バックスプライス、角しばり、すじかいしばり、巻しばり、8の字しばり

憲章 (Constitution)
憲法。組織の存立の基本を規定したもので、ボーイスカウト運動では、連盟の規約に使われている国もある。なお、ボーイスカウト日本連盟発行「ローバースカウトハンドブック」では、ローバースカウト隊が活動のねらい、方法、管理、隊員の加入、資金などを規定し、その定めの下で自分たち独自の活動を展開していくことを基本においている。この定款を憲章と呼ぶ。

コミッショナー (Commissioner)
(政庁が任命した)委員、理事、弁務官。原意は、特定の任務を託されて派遣された役職者。ボーイスカウト用語では、教育面で基準の維持と純正な発展のために県連盟、地区におかれる教育指導面の責任者と、全国レベルでは教育の分野で特定の任務を託された総コミッショナー、国際コミッショナー等がある。

サバイバル〈Survival〉
生存技術。生き残りのための原始生活技術。
用例・・・・・・サバイバルキット、サバイバルナイフ

三指
敬礼、スカウトサインをする時の手の形。右手の親指と小指を付けて人差指、中指、薬指の三本指をたてる。
三指を示す理由は・・・・・・
(1) スカウトの三つのちかいを示している。
(2) コンバス(羅針盤)のN(北)にちなみ、人生の方角をわれわれは指示するという意味。
(3) これを上にあげることは向上をあらわす。

シニアースカウト(Senior Scout)
(ボーイスカウト用語)
高校生年齢のスカウトのこと。この名称が生まれた当時、ボーイスカウト(Boy Scout)より年長(Senior)のスカウトの意味で使われていたが、ボーイスカウト年齢とシニアースカウト年齢は全く異なったプログラムと指導がとられるべきであるという考え方が広まってきた現在では、シニアーと呼ぶのは適当でないという意見で、高校生年齢のスカウトはベンチャースカウトが使われるようになった。略して、シニアーという。 ジャンボリー(Jamboree) ボーイスカウトのキャンプ大会で、ひとつの国または地域的・国際的・世界的規模開かれるものをいう。人種・宗教・言語・習慣の違いを越えて、ひろくスカウトの交流と親善を深める。

ジャングルブック〈The Jangle Book〉
イギリスの文豪 ラジャード・キップリングが1894〜1895年に著した作品。
ベーデンパウエルは、年少者の教育のポイントを人格と肉体的健康に重点をおきウルフカブ部門(カブスカウト)の基盤としてこの「ジャングルブック」を採用し、1916年に「ウルフカブスハンドブック」を著した。
物語は、インドのジャングルが舞台になっており、赤ん坊の時に両親にはなれて、おおかみに育てられた少年「モーグリ」のお話である。

上級班長〈Senior Patrol Leader〉
班長の経験のあるスカウトで、班長と隊長との間にあって、各班長に協力し班長の仕事を援助し、助言を与える。
班長会議の議長となり隊のプログラムを企画し、隊集会や隊の運営について班長の意見をまとめる。
上級班長の選任は班長会議にはかった上で隊長が任命する。

上進〈Going-up〉
スカウトが当該年齢を越え、上の部門に移ること。
ビーバースカウトがカブスカウトに、カブスカウトがボーイスカウトに、ボーイスカウトがベンチャースカウトに、ベンチャースカウトがローバースカウトになること。

上進式
スカウトの上進を祝い、心新たに新しい隊での飛躍・前進を期待して多くのスカウトの前で行うセレモニー。
【上進式の例】・・・・・・ボーイスカウトからベンチャースカウトヘ
1. 集合・整列
2. 服装点検
3. 開式の辞
4. 国旗儀礼
5. 連盟歌斉唱
6. 送別の言葉・・・ボーイ隊長
7. 上進スカウトの宣誓
8. 歓迎の言葉・・・ベンチャー隊長
9. 激励の言葉・・・団委員長
10. 歌「平和の騎士」斉唱
11. 国旗儀礼
12. 弥栄三唱・・・副団委員長
13. 閉式の辞
14. 解散

シルバ コンバス〈Silva Compass〉
方位目盛り付の特殊磁石のこと。
簡単に磁北線が引けて、ハイキングやオリエンテーリングで地図を読むときには欠かせないものである。Silva は「森」を意味する。
また“Silva Compass”は商品名(登録商標)でもある。

シンポジウム(Symposium)
一つの主題について多くの人が研究発表や討論をする研究会。ボーイスカウト日本連盟は、ローバースカウト活動の活性化と充実のためローバースカウト自身の手で大会を開催することを決め、1985年と1989年の2回、ローバースカウト・シンポジウムを開催した。

進歩制度
班制度と共に、ボーイスカウト独特の二大制度の一つ。
「班制度」によって、集団の中にある少年がチームワークを通して、「信頼」される社会人に成長させ、「進歩制度」ではあらかじめ設定してある課目を、スカウトが自発的に挑戦し、履修することによって、立派な社会人になるための「資質」を伸ばして、人間的成長を図るもので、班制度・進歩制度とも、どちらも欠くことのできない制度である。
両親や社会の人々が少年に期待していることは、少年が健康で、将来よき社会人として社会に役立ち、幸福な人生を送ることができることを望んでいる。
大人はこのように考え、少年をボーイスカウトに人隊させるのであるが、ボーイスカウトに人隊したいという大部分の少年は、大人の期待とは関係なしに、ボーイスカウトに入ると何か面白いことがありそうだと思って入隊してくるものである。
この大人達の願いに、少年達がやりたがっていることを組み入れてやれば、少年達は喜んで楽しみながら、大人達が希望する将来への道を進んでくれる。
(大人の願い)+(少年の好奇心)→(進歩制度)
ベーデンパウエルは「傘箔ぬりの丸薬」という言葉を使っている。日本流に言えば「糖衣錠」であろう。少年には甘くて飲みやすいが、中味は体によく効く苦い薬が「進歩制度」であると考えてもよいだろう。
スカウト教育でいうところの進歩制度とは、大人と少年の両方を同時に満足させるために考案されている。スカウトが進歩し、向上するためには、どのようなことをやらせたらよいのかということを、年齢や能力、興味に合わせて、やりとげるのに適した程度の課目に設定してある。さらに、進歩制度は単なる目標を提示するだけのものではなく、スカウトがその課目に挑戦し、自ら進んで技能や知識の修得に熱中し、やがてそれらの技能が一定の水準に達すると、その記章を与えて表彰する仕組みになっている。
(進歩制度のねらい)
(1) 意欲的な自発活動により、目標に向かって計画性と、最後まで成し遂げる実行力を身につける。
(2) 楽しみながら進歩課程に進ませ、技能のみならず、身体的・知的進歩を図る。
(3) ちかい、おきて(カブはやくそく・さだめ、ビーバーはやくそく・きまり)を日常生活の中で実践する努力をすることによって、人格の形成と、精神的進歩を図る。
(4) 自分の人生に自信と勇気を与え、健康と技能を社会に役立たせる。
※いずれもスカウトの自発活動が基本になっている。
スカウトの進歩課程には、スカウトとして、必ず身につけておかなければならない内容の(必修課目)と、幅広い、豊かな人間性を備えるようにと設定された(選択課目)がある。
カブスカウトの必修課目は「修得課目」、選択課目は「矢章課目」(平成2年からは「チャレンジ章課目」)。
ボーイスカウトの必修課目は「進級課目」、選択課目は「特修章課目・技能章課目」。
ベンチャースカウトの必修課目は「進級課目」、選択課目は「技能章課目」である。

スカウト(Scout)
元来、斥候が原義であるが、ボーイスカウト運動の創始者B-Pが斥候術を基盤に「スカウティング・フォア・ボーイズ」を創刊し、運動を起こしたことから、この運動に加盟する者をスカウトと呼ぶようになった。 (ボーイスカウト用語)ボーイスカウト運動の青少年加盟員。当初、ボーイスカウトだけであったものが、ビーバー、カブ、ベンチャー、ローバーと部門が増えたことから、全体を総称するのにスカウトが使われる。また、指導者を含め、運動全体を示すのに「スカウト運動」の如く使われる。

スカウトサイン〈Scout Sign〉
右手で三指をつくり、90゜の角度で上へあげる。
「私はスカウトであります。」という世界共通のサイン。
「ちかい」をたてるとき、「おきて」を唱えるとき、私はよいスカウトになりますと集会等で唱えるときに用いる。
三指は三つのちかいを表す。

スカウト週問
毎年、子供の日を中心とした1週間に、全国のボーイスカウトが集中的に地域社会への奉仕活動を行おうと定められたもの。これは第6回日本ジャンボリーの時に開催された「全国スカウトフオーラム」で、各県連盟の代表スカウトから「全国的にスカウト奉仕の日を定め奉仕を通じてボーイスカウトのちかいとおきてを実践する運動を展開しよう」という決議に端を発している。
平成2年より、敬老の日の9月15日を「スカウト奉仕の日」に決めた。

スカウト章〈Scout Mark〉
全体の形は世界各国ほとんど同一で百合の花(愛)を表し、3つの花びらは3つの「ちかい」を示し、まん中の花びらは北を示すコンパス(人生の進むぺき方角)下の帯はスカウトの笑う口もと、紐の結び目は日日の善行、2つの星は「真理」と「知識」を示し、また輝いたスカウトの眼を表現し、さらに星そのものを表しスカウトの野外生活をも意味している。まん中の鏡は英知と反省を表し、また日本の国を表している。百合の花びらを結んだバンドは、世界のスカウトの友情を表している。
スカウト章は商標登録されており、スカウト章を付した製品を製作する場合は、その使用目的、品名、意匠、数量等を明記した申請書を日本連盟に提出しなければならない。スカウト章の使用許可後、仕入れ単価の7パーセントを日本連盟に納入することになっている。また、世界スカウト章については仕入れ単価の10パーセントを日本連盟を経由して世界スカウト事務局に納入する。

スカウティング(Scouting)
Scout から、その活動を Scouting という。(ボーイスカウト用語)スカウト活動のこと。広くスカウト運動と同義に「スカウト運動の組織・運営・教育・指導者訓練等全て」を含んだ意味に使われることもよくある。

スタンツ〈Stunts〉
狭い意味では即興劇、寸劇のこと。創造力、工夫、ユーモア、反応性などが要求される。
広い意味では、出し物一般のこと。隠し芸、パントマイム、営火劇、ダンス、演奏、動作のついた歌など。

スポンサー(Sponsor)
保証人、後援者。ボーイスカウト運動は地域社会の有志による育成会が活動経費を提供するなど支援をしている。この育成会をスポンサーと呼ぶ。「ローバースカウトハンドブック」では、ローバースカウトになる決意をする前までの期間(スクワイヤーのとき)に課題や人生の問題等に先輩として指導するよう任命されたローバースカウトのこと。

スローガン(Slogan)
標語、合い言葉。日本のボーイスカウトでは、「日日の善行」がスローガンである。

セレモニー〈Ceremony〉
式、儀式、式典のこと。
人問の一生を考えてみると多くのセレモニー(儀式)がある。人間の一生はセレモニーとセレモニーとの間に生きる動物であるというたとえもある。スカウト活動はセレモニーに始まり、セレモニーに終わる。また、スカウトにとってセレモニーは厳粛で、感銘を受けるものでなければならない。
スカウトの活動は野外活動に、室内のゲームや歌に、社会への奉仕に、楽しみながら実践していき、それによって体得するものである。その体得したものを静かに反省し、スカウトとしての意識を深め、自覚を高めるのがスカウト活動におけるセレモニーの意義である。ちかいの式、入隊式、上進式、進級式などはスカウトにとって心に残るセレモニーである。
セレモニーの要素は・・・・・・
(1) 深い感銘を与えるものであること。
(2) 参加者に理解できる内容であること。
(3) 簡潔であること。
※つまり、時間は短く、感銘は深く、というのが成功のポイントである。

そなえよつねに〈Be Prepared〉
ボーイスカウト以上のスカウトと指導者のモットー(標語)。
スカウトは何事に対してもいつでも必ずやり通すという準備を常にしておく、という意味である。
スカウトはいつも心にも体にも、技にもすきのないよう、どんなことにでも応じることができる心構えをもって「さあこい、準備はできている」ということを意味する。
そのため、スカウト技能はどんなことでも役立つよう、準備のために日頃から訓練をしておくのである。そしてまた、将来社会に出ても、よい公民としての準備が整った人物になるために、スカウト教育を身につけるという意味をもつ。
Be Prepared の頭文字B,PはベーデンパウエルのB-Pにもつながる。

立ちカマド
 木や竹を使って作るカマド。
 火床が地上より高いところにあるため、立ったまま調理ができる。作製に時間がかかるため短期のキャンプには向いていない。火床は膝の高さがよいといわれている。また、移動できることも特長であるが、なわ結びをしっかりしていないと崩れることがあり危険である。

団委員会〈Group Committee〉
 団の管理と運営面を担当する団委員の組織。
 主な役割は、団の資産の管理、スカウトの集会場や備品及び夏期野営実施について便宜を図る、各隊指導者の選任、スカウトの進歩の促進、加盟登録の責任、スカウトの健康と安全、スカウト運動の趣旨の普及である。

チーフリング〈Chief ring〉
 ネッカチーフをとめるリング状の物。「ネッカチーフリング」、「チーフスライド」また略して「ネッチリング」などと呼ぶ。教育規定上では何ら制約がないため、自由に自分の好みで好きなものを着用することができる。記念品を製作する上でも一番多く作られ、互いにスカウト同志が交換することも多い。

ちかい〈Scout Promise〉
 「私は、名誉にかけて、次の3条の実行をちかいます。
 1.神(仏)と国とに誠を尽くしおきてを守ります。
 1.いつも、他の人々をたすけます。
 1.からだを強くし、心をすこやかに、徳を養います。」
 スカウティングの根本原理であり、スカウトの日常生活における行動規範を示したものである。スカウトになろうとするものは、自分の意志に基づいて、自分を拘束すると共に、スカウトの仲間入りのやくそくとしてこの「ちかい」を立てる。
「ちかい」は自分の一生を内省する鏡であり、自分をいましめる力となる。
「名誉にかけて」とは、少年が他から信頼され、また自分の責任を果たすために、自己の最善を尽くすと言う意味である。
「神(仏)と国とに誠を尽くし」とあるのは、信仰の心を持って、心から自分の信ずるところの神、または仏に尽くすこと、自分の国の大切さを知って、国のために尽くすことである。そして、スカウトの日常生活の物さしとして「おきて」を守っていく決意を表明するものであり、自発活動のあらわれである。
 三つのちかいの中には、三つのDuty(使命感、義務感)が含まれている。
 神(仏)へのDuty、他人へのDuty、自分へのDutyである。

追跡サイン
 追跡ハイクなどで後から来るスカウトのために、木や草や石を使って表す秘密のサイン。
 「この方向に進め」、「目的地近し」、「目的地まであと4キロ」、「この道にあらず」、「注意」、「危険」、「帰った」、「この方向3歩に通信あり」などがある。

デイキャンプ〈Day Camp〉
 宿泊を伴わない日帰りキャンプのこと。Day=昼間、昼間だけのキャンプ。
 おもにカブスカウト活動の中で、宿泊を伴わない日帰りキャンプのことをいう。
 テントを張って1泊するほど大げさでなく、気軽に飯合炊さんやロープ結び、森林浴などをして1日を過ごすキャンプのこと。
 例えば、カブスカウト活動で取り上げる「カブのデイキャンプ」は、スカウト達はテントに宿泊せず、野外で日中のある時間を過ごし、テント生活に伴うなわ結びや炊事等を行い、「カブホリデー(舎営)」や「カブのキャンプ(野営)」の準備につながるものであるから、「カブのキャンプ」(野営)を実施する場合には、この「デイキャンプ」を体験させておくことが必要である。

手の合図〈Hand Signal〉
 手信号、身振り信号のこと。
 気をつけ、休め、わかれ、横隊に集まれ、縦隊に集まれ、円形に集まれ、U字形(馬てい形)に集まれ、その他各種の手の合図がある。
休め すわれ 縦隊に集まれ 馬てい形に集まれ 円形に集まれ わかれ

デューティ〈Duty〉
 義務、つとめ、使命感のこと。信仰から生まれた報恩感謝の念から、身を捧げ、やり遂げること。ボランティアーということは、神や仏のみ心によって立ち上がるという使命感〈Duty〉がその土台になると言われる。
「ちかい」は、神へのDuty、他人へのDuty、自分へのDutyから成り立っている。

デン(Den)
動物の巣や穴。
(ボーイスカウト用語)
カブ活動でスカウトの組の集会本拠地。そのことから組そのものをもデンという。ローバースカウトの場合も定例の集会場所をローバーデンということがある。

デンコーチ(Den Coach)
(ボーイスカウト用語)
以前はカブスカウトの組の指導者にあたるため配置されたボーイスカウトのことをデンチーフと呼んでいたが、現在は規定の改正により、この役務はデンコーチと名称が変わり、同時にボーイスカウトに限らず18歳までの男女がこの役務につけることになった。

テント〈Tent〉
 「天幕」ともいう。
 支柱(ポール)が1本の「角錐型テント」(マイナー型テント)、支柱が2本の「ウォールテント」(家形テント)、「A字形テント」(屋根形テント)、支柱が4本または6本の「マーキーテント」・「ロッジテント」、支柱の代わりにグラスファイバーを骨組みにした「ドームテント」、その他、軽テントとして「タープテント」、「アドベンチャーテント」、「パップテント」などがある。
 日本工業規格(JIS)に定められたテントの規格は別表のようになっている。
4人用を例にとれば床面積は182cm×182cmの正方形になっている。これに4人で寝るとすれば、1人あたりの幅は45cm、イワシの缶詰方式の登山なら我慢できないことはないが、スカウトのキャンプでは3人が限度であろう。また、ドーム形テントのJIS規格は1人分が180cm×55cm、ロッジ形(フレーム形)テントでは200cm×65cmとなっている。
大きさ  高さ  間口  奥行 ウォール ひさし
3人用 151  151  182   30   15
4人用 151  182  182   30   15
5人用 166  182  227   30   15
6人用 182  182  273   45   20
ウォールテント(JISでは家形) 単位(cm)

デンリーダー(Den Leader)
(ボーイスカウト用語)
カブスカウトの組の一つを担当する成人指導者のこと。ただし、指導には直接携わることはなく、活動が安全に円滑に進むように組の世話をするのが任務である。

特修章
 ボーイスカウトの特修章課目(選択課目)を履修することにより取得することができる。特修章課目はボーイスカウト活動の基本的技能である進級課目の内容を、さらに向上させ熟達させるために設定されたものである。特修章課目と進級課目とは多くの細目が重複しているので進級課目を進めて行くと、該当する特修章課目・も履修することになり、また自分に興味のある得意な特修章課目を進めて行けば、その中に該当する進級課目も同時にできたことになる。このように進級課目とは違った魅力をもたせて技能の肉付けを図り、進歩を促すことをねらいとしている。また、特修章課目は初級スカウトから履修することができる。
【特修章の種類】
  公民章、世界友情章、救護章、健康章、安全章、水泳章、観察章、計測章、通信章、結索章、野外料理章、読図章、ハイキング章、キャンピング章、自然愛護章、デンチーフ章、近隣奉仕章、環境保護章、天体宇宙章、郷土文化章、情報処理章
(平成11年現在21種類ある)
 特修章が制定された頃は、特修章は金属製のベルトクリップになっていたが、安全性の問題から、現在は布製のバッチで、制服の右袖の班別章の下に付けるようになっている。
 7つ以上を取得した場合は、タスキに着用することができる。

トレーナー(Trainer)
トレーニングに当たる人、つまり訓練担当者のこと。ボーイスカウト日本連盟トレーニングチームの訓練要員であるリーダートレーナー、副リーダートレーナーのことを省略して呼ぶ場合が多い。

ナイフ〈Knife〉
 形状によって「シースナイフ(鞘付きナイフ)」と「フォールディングナイフ(折りたたみ式ナイフ)」に分けられる。また使用目的によって「サバイバルナイフ」、「ポケットナイフ」、「ハンティングナイフ」の三つに分けることもできる。
 ポケットナイフで有名なものはビクトリノックス社やウエンガー社の「スイス・アーミーナイフ」やヘンケル社のポケットナイフがある。また日本連盟需品部でもスカウトの野外活動に適した各種のスカウトナイフが売り出されている。
 最近のナイフはハイステンレス鋼やカーボンスチール製で錆びにくいが、研ぎにくく、専用の超硬質タングステン合金でできたシャープナーを用いて研ぐ。
 無条件で携帯を許可されるのは、シースナイフでは刃渡り6センチ以下、フォールデイングナイフでは8センチ以下となっている。それ以上のものは、業務上やその他正当な理由がなければ携帯できない。刃渡りが15センチ以上になると「刀剣類」となり、許可証がなければ所持できない。
 スカウトがナイフを使用するとさは、常によく研いでおくこと。切れにくいナイフほど危険なものはない。人が近くにいるときは使用しない。ナイフを火に近付けたり、ネジ回しの代用にしない。町を歩くときや、キャンプやハイキングの往復路では、腰にぶら下げて歩くことはせず、ザックの中にしまっておくよう注意しなければならない。

仲良しの輪
 カブスカウトの儀式の一つ。
 カブスカウトの組が集まったとき、別れるときにする儀式で、みんな仲良く元気でという意味を込めて行われるものである。
 仲良しの輪の中に入れるのは、原則としてカブスカウトの組の仲間だけである。
 デンマザー、デンチーフも、時には一緒に入ってもよいが、主導者は組長である。
 左手親指を出して左側にいる仲間の親指を握ると、一つの輪ができる。カブサインをして「いつも元気」と大きな声を出し、最後に飛び上がる。
 敬礼をして「こんにちは」、「さようなら」など短い挨拶をする。

ニーズ(Needs)
必要なもの(こと)、欲求。一般的に「青少年のニーズ」とか、「訓練ニーズ」というように前に限定する語が付くことにより「青少年の欲求」とか、「訓練により充足されるべきこと」のように使われる。

ネッカチーフ(Neckerchief)
首巻き。ボーイスカウト用語では、首に巻く三角形の布で、胸の上部、首の下でネッカチーフ留めという留具で留める。正式な服装の一部である。

ノット(Knot)
縄結び。

ハイキング(Hiking)
(ボーイスカウト用語)
目的をもって、通常は予め定めたコースで野山(ときには、町の中)を歩くこと。 ハイク(Hike)英語: 徒歩旅行、ハイキングをすること。

班会議
 班のスカウト全員によって構成され、班長が議長になる。
 班活動(班集会、班ハイク、班キャンプ、班善行などの計画)や班内の協議事項や隊のプログラムに対するニード(希望、要望)を出し合うなど、班の自治を実践する重要な会議。

班旗〈Patrol Flag〉
 班ごとに持つ班のしるしの旗。
 この旗には班名を表示したもので、例えば、虎班は虎の絵を描く。

ビーバースカウト(Beaver Scout)
(ボーイスカウト用語)
ボーイスカウト運動の最年少の部門のスカウト。この部門の教育プログラムは、カナダで始まったが、カナダでは固有の動物であるビーバーをこの部門の呼称に採用した。日本でも、固有の動物の名称を検討したが、過当なものが得られず、ビーバーの名称を用いることになった。 部門・分野 ボーイスカウトの用語としては、ビーバー、カブ、ボーイ、ベンチャー、ローバーの区分を部門といい、プログラム、指導者養成、組織拡張等、運営面の区分を分野とする用語の使い方がある。

ビーバーコール〈Beaver Call〉
 ビーバースカウトの一種の儀式。
 ビーバー隊の隊集会のはじめと終わりに行われる。
 使い方の例 (隊長)ビーバー!!
       (ビーバー)ビバ ビバ
       (みんなで)ビーバー!!
 ※ 各隊の創意工夫で、いろいろなやり方が考えられる。

B-P祭〈ビーピーサイ〉
 ボーイスカウトの創始者、ベーデンパウエルの生誕を祝う行事で、毎年2月22日がその日に当たるが、その日に近い土曜日や日曜日に行われることも多い。
 ベーデンパウエルは1857年2月22日にイギリス、ロンドンのハイドパークの近くに生まれた。 ベーデンパウエルの夫人、オラブ・ベーデンパウエルも同じ2月22日が誕生日である。オラブ・ベーデンパウエルはガールスカウトのチーフガイドであったので、ガールスカウトでもB-P祭を実施している。

ピクニック〈Picnic〉
 ビーバースカウトやカブスカウトの活動では、日帰りの遠出を意味する。
 以前はビーバー隊、カブ隊では「ハイキング」の名称は用いることはなく、「ピクニック」と称していたが、現在では名称の統一から、ビーバー隊やカブ隊でも「ハイキング」の名称が用いられている。
左手の握手:〈The Left Handshake〉 スカウト同志は、親しみの情をあらわすため、「左手の握手」の挨拶をする。
 これは全世界共通のスカウトの挨拶の仕方になっている。左手の小指をあけて三指とし、スカウトサインの形で握手する。
 ボーイスカウトで左手の握手を用いるようになったのは、ベーデンパウエルが、西アフリカでの戦役中、1896年にアシャンティ族との戦いにおいて、軍門に下った敵の首長が、左手での握手を望んだ(アシャンティ族の風習で、首長と最も信頼されている者との間にのみ交わされる特別なしるしであった)ことから、ヒントを得たものである。
 このときからベーデンパウエルは両手利きになろうと決意したという。

日日の善行〈Do a Good Turn Daily〉
 ビーバーからローバーまでの全てのスカウトと指導者のスローガン(主張)。
 ボーイスカウトでは、日日の善行を重く取り上げている。
 他のいろいろな団体でも一日一善という言葉を掲げて善行の奨励をしているが、それと同様の目的で、善行を、はじめは意識して行ううちに、それを習性に導き、次第に意識しないで善行をするという域にまで進めようというものである。
 しかし一善という言葉はなんとなく一つに限られた感を与えてしまうので、ボーイスカウトでは「日日の善行」という言葉をスローガンとして用いる。
 ネッカチーフの先端を結んでおき、何か善行をした後、ネッカチーフの結び目を解くのも、日日の善行の奨励のためである。しかし、最近はあまりこの習慣は行われていないようであり残念である。

プログラム(Program)
学習計画、計画、予定表。ボーイスカウト用語では、広義・狭義、さまざまな使い方がある。広義では青少年の教育に係わるすべてのこと(組織、教育課程、活動等を含む。例、カブスカウトのプログラム)、狭義では活動のプログラム(例、年間プログラム、隊活動のプログラム等)である。

分封〈ブンポウ〉
 ボーイスカウトの団内に同種の隊が増えたため、その1こ隊を抽出し、これを基幹として新しい団を設立すること。
 分封と間違えやすい例として、既にカブ隊2こ隊を有する団に、さらにカブスカウトが増えて、CS第1隊、第2隊の定員を超過したため、団内に第3隊を作る代わりに、これらの超過人員を受け入れて新しい団を作った場合、これは隊を動かさないので分封とはいわない。

べーデン-バウエル(Baden-Powell)
ボーイスカウト運動の創始者。1857年にイギリスで生まれ、1907年にボーイスカウト運動を始めるまでは軍人として名を成し、陸軍中将で退役。以後、1941年に逝去するまでボーイスカウト運動が世界中に発展するのに献身した。ボーイスカウト運動では、「世界の総長」として全世界のボーイスカウト運動加盟員から親しまれ、イギリスでは男爵に叙され、ギルウェルのべーデン-パウエル卿(Lord Baden-Powell of Gilwell)、または略してB-Pと呼ばれる。

ペグ〈Peg〉
 テントのロープやすそを地面に固定するもの。くい。
 ロープに対して90度、地面に対して50〜60度の傾きがよいとされているが、これは地形や土質により、その都度臨機応変に変える必要がある。
 木のペグは木づちで、金属のペグの時は金槌で打つのが原則である。
 また、ペグにロープをかけたまま打ってはいけないし、ペグにかけるロープが土に接しない程度に打つ。

ベンチャー(Venture)
ボーイスカウト部門の上の年代のスカウトは、シニアースカウトと呼ばれてきたが、その活動はボーイスカウト部門の活動とほぼ同じようであった。これをまったく異なった方法と内容で成り立つことがその年代の青年たちのニーズに応えるものであるとの考え方から、この部門をベンチャースカウト部門(国によってはベンチャラー、Venturer)という新しい名称の下で新しいプログラムが生まれるようになった。そして、ベンチャースカウトの大会をベンチャーと呼ぶ。日本では、全国シニアースカウト大会(日本ベンチャー’96)のごとく使われ、ジャンボリーと同じく4年周期でこれまでに4回開かれた。

ボランティアー〈Volunteer〉
 有志奉仕者のこと。
 ボーイスカウトの指導者はすべてボランティアーである。

ポンチョ〈Poncho〉
 もともと南米インデイアンの防寒具から変じて雨具になったもの。
 夏の日にも身体が蒸れないこと、リュックを背負った上からでも着られること、グランドシートの代用をしたり、二枚組にして簡単なA型テントにすることができる。

マーキー(マーキーテント):〈Marquee(Ma「queetent)〉
 集会用テント。
 家型の大型テントでウォール部分が高く、パイプの組立式骨組みにキャンバスを張ったもの。 通常、集会場や本部用テントなどに使用され、通常のテントよりかなり大型である。

マッピング(Mapping)
読図。地図を使って野外を踏破する活動に必要な地図及びその使用に関する技能。スカウト活動に必須の野外活動技能のひとつである。

マナー(Manner)
態度、様子、行儀、方法、仕方。ボーイスカウトでは、フェアープレイの精神でゲーム、つまりスカウティングを行うことが精神的なバックポーンであるので、とくにマナー(行儀、作法)は重んじられている。

身振り信号〈Hand Signal〉
 「手の合図」のこと。号令をかけずに手の動作だけでスカウトに指示する方法。
 気を付け、休め、注意、すわれ、わかれ、集合隊形の各種サイン(円形に集まれ、U字形に集まれ、縦隊に集まれ、横隊に集まれ)などがある。
 見た目にもスマートであり、スカウトに注意力を養う訓練にもなる。

メッセージ(Message)
伝言、教書、お告げ、使命。ボーイスカウトでは、創始者が残した「最後のメッセージ」が有名で、その中にある「幸福に生き、幸福に死ぬ」人生への創始者の願いが多くの人々の心を打つ。

メンバー(Member)
会員、仲間、加盟員。ボーイスカウト活動では、グループの一員となることが教育の基本にあるので、メンバーおよびメンバーの資格要件(Membership)は重要な意味を持つ。

モットー(Motto)
標語、処世訓。ボーイスカウトのモットーは全世界的に「そなえよつねに(Be Prepared)」である。

ヤーン(Yarn)
物語のこと。スカウトに指導者自身の経験やロマンにあふれた冒険など、教育的な話をすることをさす。これはB-Pが「スカウティング・フォア・ボーイズ」の各章の題名をキャンプファイアーヤーン(営火の話)としたことから、営火で指導者がする話をさし、また転じて、営火以外のときでも、同趣旨で行う話をさす。日本では、営火夜話または夜話と呼ぶこともある。

ラウンドテーブル(Round Table)
Round-Table Conference(円卓会議)の略。テーブルを囲んで上位下位の区別なく着席し、自由に意見を交わす会議の形式をいう。各隊の隊長や副長が隊の運営や技能の研修、プログラムの研究などについて、自分の能力を向上させるため自己研鑽をする場で、通常地区コミッショナーが企画する。

ラッシング(Lashing)
縛ること、縛材法。ノッティング(Knotting)が「結ぶ」のに対し、ローブ等で「縛る」こと。一般に「結索」というときには、この2つ、つまりノッティングとラッシングである。

ラリー(Rally)
集まり、大会。ボーイスカウトでは、カブスカウトの大会(宿泊をともなわず、1日でおわる大会)に使うことが多い。

リーダーシッブ(Leadership)
指導力、指導性。ボーイスカウトではとくにメンバーシップとの関連で使われることが多い。

りすの道
 カブ隊に仮入隊した少年が、正式にカブ隊に入隊してカブスカウトになるための課程。この期間、りすバッジを私服の左胸中央に着用する。
 りすの道はカブスカウトの仲間になるための条件で、6つの仕事がある。
(1) ボーイスカウト運動およびカブスカウト活動がどのように始まったかを知る。
(2) カブスカウトのやくそくをおぼえる。
(3) カブ隊のさだめをおぼえる。
(4) カブスカウトのサインと握手ができ、その意味がいえる。
(5) カブスカウトの標語をおぼえる。
(6) カブスカウトの敬礼ができ、その意味がいえる。
 以上の、りすの道が終わると、入隊式においてカブスカウトの「やくそく」をした後、その年齢区分に従ってうさぎ、しか、くまのスカウトになる。

ローバースカウト〈Rovor Scout〉
 18歳以上の青年男女を対象としたボーイスカウトの部門。
 主として海洋訓練を実施するローバー隊をシーローバースカウト隊、主として航空訓練を実施するローバー隊をエアーローバースカウト隊と呼ぶ。
 ローバースカウトは高度の野外活動、奉仕活動、自ら課題を設定して行う個人プロジェクト、ビーバー隊、カブ隊、ボーイ隊、ベンチャー隊の訓練指導に協力し、準指導者としての奉仕などが主なプログラムである。
 ローバー〈Rover〉は、人生の旅人などという意味がある。

ワークキャンブ(Work Camp)
労働を伴った教育キャンプ。労働奉仕の必要な所に出掛け、援助活動をするが、必ずしもテント生活をするとは限らない。